適量の糖分は健康にプラス
最近、糖分は健康に100%マイナスだとして「糖分恐怖症」に陥る人が多い。糖分と聞いただけで顔色を変え、普段口にするマントウやごはんは体内で糖分に変わるのだから、これ以上糖分を取れば糖尿病になったり、寿命が縮まったりするという人もいる。だが実際はそうではない。糖尿病患者でなければ、一日60グラム以内の精製糖を取ることは、寿命に影響がないばかりか、かえって健康にプラスになる。
一口に糖分といっても、ブドウ糖、果糖、脳糖、麦芽糖、デンプンなどさまざまな種類がある。いわゆる精糖は精製糖のことで、白糖、黒糖、角砂糖などが含まれる。このうち体内に直接吸収されるのはブドウ糖、果糖、脳糖だけで、その他の糖分は体内で分解されてブドウ糖に変わってから吸収・利用される。
糖分の主な役割はエネルギーの供給だ。ブドウ糖1グラムは4千カロリーのエネルギーを生みだし、人体は必要なエネルギーの70%前後を糖分から取っている。中国医学では肝臓を臓器の中心とみなし、長時間エネルギー不足の状態が続くと、肝臓の機能に影響が出ることから、肝臓を保護するために糖分はやはり重要だと考えられている。
糖分を取ることが糖尿病の直接の原因にはならないが、食べ過ぎれば体内脂肪の消費量を減らし、脂肪を堆積させ、肥満を招くことになる。