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槐耳顆粒で原発性肝臓癌を治療する臨床観察

中国人民解放軍第二軍医大学東方肝胆外科病院 200433

「上海中医薬雑誌」 1995年

 槐耳顆粒(カイジ散剤)はカイジ菌質から抽出された上清液で、菌類多糖類など多種類の活性物質を含み、基礎研究では、腫瘍成長抑制、体内の多種細胞因子の誘発、体の免疫力増強などの作用を持つことを示した。U期臨床試験の結果では、原発性肝臓癌に対して一定の治療効果があることを明らかに示した。この基礎の上で、私達は槐耳散剤(顆粒剤)による原発性肝臓癌の治療について臨床観察を行って、次の通りに結果報告する。

一、一般材料 1993年3月〜1994年4月から、計275例の原発性肝臓癌に対して槐耳散剤(顆粒剤)で治療を行い、その中に男性が223例、女性が52例、年齢が21〜79歳、平均52.5歳。肝臓癌の診断は1977年全国肝臓癌会議で制定された基準によって診断し、その中に12例は病理診断で、残りの病例は臨床診断で、診断方法はAFP、Bエコー、CD,MRI血管造影を含む。臨床ステージ:I期は19例(6.9%)、U期が125例(45.5%)、V期が131例(47.6%);67.3%患者は慢性肝臓病暦があり、AFP<400ug/1の者は62.1%占める。

二、治療方法 275例をカイジ散剤(顆粒剤)で治療し、毎回お湯で1パックを溶かして飲み(乾清膏が0.64グラム含有)、1日3回、V期の患者が1ヶ月間投与して一つ治療のコースとし、U期の患者が3ヶ月間投与して一つ治療のコースとする。投与前後に定期的に腫瘍サイズとAFP、肝臓と腎臓機能、血液ルーチン検査の変化を測定し、そして患者の臨床症状をよく観察する。

三、治療結果

 治療効果の基準:完全緩解、腫瘍は完全に消失、或はAFPが1ヶ月を超えて陰転する。部分緩解:腫瘍の縮小は>50%、或はAFPの低下は1ヶ月間を超えて>50%。安定:腫瘍の縮小は<50%、或は増大は<25%、或AFPの低下は<50%、上昇<25%;無効:腫瘍の体積増大は>25%、或はAFP上昇>25%である。

 1. 結果

 275例カイジ散剤(顆粒剤)を投与された患者では、投与後に主要な臨床症状は明らかな改善され、73.1%患者の肝臓部位の疼痛は軽減するか消失する。65.4%患者は食欲が増え、体重は増加し、80.2%患者は精神状態を好転した。BエコーとCTで治療前後に腫瘍サイズの変化を観察し、腫瘍サイズの測量は腫瘍の最大割面に二つお互いに垂直の最大径の積で表す。本群では、腫瘍が完全消失した病例を見られなかった。腫瘍の縮小は>50% 11例(4.0%);腫瘍サイズ安定者は170例(61.8%)、腫瘍の進展と>25%、増大が94例(34.2%)であった。本群275例の中に、161例(58.8%)がAFP>400ug/l、治療後にAFPが下がるのは49.7%(80/161)を占め、その中に17例((10.6%)がAFP>50%に下がったが、AFP陰転は1例もなかった。治療後にAFPの上昇<25%は36例(22.4%)、上昇<25%は45例(27.9%)であった。治療前後、腫瘍サイズとAFP変化情況を総合し、本群病例ではカイジ散剤(顆粒剤)治療の効率顕著は40%、有効率は65.8%、総有効率は69.8%であった。275例の中に半年を超えて追跡調査したのは202例で、1年を超えたのは73例で、半年、1年間生存率はそれぞれ41.6%(84/202)と27.3%(20/73)である。

 本群病例では明らかに毒副反応は見られなかったが、ただ個別の患者は投与後、胃腸が悪くなったりしたが、減量投与或は投与中止すると症状が消失し、特殊な処理を必要としなかった。投与前後に定期的に肝機能各指標の測定と血液ルーチン検査を行い、いずれも明らかな変化はなかったから、カイジ散剤(顆粒剤)が肝臓と腎臓の機能に対して明らかに損害がなく、骨髄に対して明らかな抑制作用がなかったことを示した。

 四、考察原発性肝臓癌は発展が早く、初期診断しにくい、またよく肝硬変を合併する特徴があり、これは治療に対して極めて困難である。少数の病例が根治性切除できるが、大多数の中期、末期肝臓癌に対して有効な治療方法が乏しい。ですから、現在、多種類の方法での総合治療は強調され、これらの方法には化学療法、栓塞療法、放射線治療、免疫治療と漢方医薬などは含まれるが、宝庫の漢方医薬についてあまり深く掘り出されていない。カイジ散剤(顆粒剤)は漢方医学理論を基づいて開発された1類の新型真菌類抗腫瘍薬物で、その活性成分は多糖蛋白で、腫瘍細胞生長の抑制作用だけではなく、同時に体の免疫力を増強し、比較的理想的な抗腫瘍薬物である。私達は、カイジ散剤(顆粒剤)を用いて原発性肝臓癌275例を治療し、効率著明が4.0%、有効率が65.8%、総有効率が69.8%、半年と1年間生存率はそれぞれ41.6%と27.3%%で、文献で報告されたインターフェロン免疫治療の効果と近い。私達は、治療効果の評価について単に腫瘍サイズの変化によらず、AFP陽性の肝臓癌に対して、AFPの変化だけを治療効果の指標とし、腫瘍サイズの変化は比較的に緩慢な過程であるため、たとえ腫瘍細胞は完全に壊死しても、腫瘍の塊も迅速に縮小せず、完全消失しにくいが、腫瘍の壊死と増殖は迅速にAFP低下と上昇で反映される。ですから、AFPの変化はAFP陽性の肝臓癌に対する治療反応を判断するもっとも敏感な指標である。本群ではAFP陽性が161例、治療後、AFP低下は80例(49.7%)、AFP低下>50%は17例(10.6%)、治療効果は比較的に明らかである。カイジ散剤(顆粒剤)の治療効果を反映するほかの指標は臨床症状のコントロールである。私達が大多数の病例が観察からわかって投与後に肝臓区の疼痛は軽減するか消えてなくなって、睡眠の改善、元気な好転、食欲が強める、体重が増加する、これ中で末期肝臓癌のいけないで特殊な治療の患者はとりわけ重要で、これらの患者の生活質を高めることができる。

 上述したように、カイジ散剤(顆粒剤)は原発性肝臓癌の治療に対して、投与便利、安全低毒性、明らかな臨床症状の改善、生存期延長などの利点がある。単独投与は特殊な治療のできない末期病例に適応するだけでなく、綜合的な治療方法として、手術、化学療法、栓塞療法、放射線治療などと併用してもっと意義があるとおもう。


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